【神戸ひとマガジン】裕ちゃんを探せ！

非日常の楽しみとくつろぎの時間を提供する。

だまってカウンターに座れば、出てくるのはフェイマスグラウスをソーダで割ったハイボール。キューバ産のシガー（葉巻）をくゆらせながら客との「ハートのキャッチボール」が始まる。料理人、ホテルマンを経て「自分のやりたい店を」と40歳直前で「MYーBAR」を三宮に開いた。開店効果が途切れかけた頃、店にやってきたのが神戸製鋼に入社したばかりの平尾誠二さん（現・神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼任ゼネラルマネージャー）。「波長が合ったんやろね」。以来、ラガーマンが溢れる店になった。シガーを手にした客の顔を撮り、額縁に収めた300人分の写真が壁を埋める。「詮索はしない。他言もしない。お互いどこか知らないところを持っていたほうが、付き合いやすいでしょう」。その居心地の良さを求めて今日も大人たちがふらりとやってくる。今年でちょうど四半世紀の歴史を刻んだ「MYーBAR」。これからも変わらず、片山さん流を貫き続ける。