ぶれず、利益を求めず

垣谷さんがこの日、店まで乗ってきたのは1956年式の英国車「MG-A」。これまでクラシックカーばかり数十台乗り継いできた。ブリティッシュグリーンの車体に身を沈め、重たそうにハンドルを切りながら「言うこと聞かないほうが面白いでしょ。女性と一緒」といたずらっぽく笑う。外資系企業を退職した後、平成3年に飲食店を開いた。舌に染み付いた家庭の味を思い出し、ハンバーグやコロッケを出すとたちまち人気を呼んだ。現在「味加味」「小味加味」「バーバンブー」三店を展開する。周囲に迷惑がかかる客の振る舞いには、本人の前に歩み寄っていとわず言葉をかける。「マナーの悪い人が増えた。誰かが言わんとね」。相手が誰であろうと態度はぶれない。これまでボランティアで多くのイベントを育ててきた。いつも考えるのは「利益を求めないこと。横にネットワークを広げること」。垣谷さんのためなら、と汗を流す人がたくさん集まってくるゆえんだ。

味加味（KOBE MIKAMI）星空屋外イベント詳しい情報はこちらから