2013年春号掲載
王子静子さん(昭和14年生まれ)
青い陶器の蓋が配されたエントランスの階段を上ると、無垢の木のテーブルが置かれた空間が出迎えてくれる。奥の部屋は江戸期~明治、大正時代に作られた染付・印判のそば猪口や皿が壁一面に並び、ギャラリーのような雰囲気。オーナーの王子さんは「刻(とき)を越えてゆったりできる場所を作りたかった」と、古民芸の研究家である知人とともに店作りを計画、カフェと陶器を楽しみながら、仲間が集う空間が出来上がった。メニューは新鮮野菜がメインの彩色コース1500円や古陶をふんだんに使った麦(ばく)御膳1380円など。器も店に飾られた陶器と同じものを使い、天然水のコーヒーは自分で好きな柄のそば猪口を選べる。古民芸の繊細な世界に囲まれた静寂のひとときを楽しみたい。
味わいのある美しい柄のそば猪口でいただく珈琲は格別。500円。
店内の器は展示販売している。飾るだけではなく日常で使いたい。