2014年冬号掲載
永里 成巳さん、美代子さん
鈴蘭台で40年近く親しまれ、親子孫三代のお客も通う。店内のショーケースには色とりどりの和菓子が並ぶ。ご主人の永里成巳さんは、卒業後、菓子職人として阪神間の名店で修行したのち独立した。全国菓子博覧会の名誉大賞など店内に飾られた表彰状の数々は、成巳さんの歴史でもある。その味が評判を呼び、出店の声もかかったが「手の届く範囲できちんと作りたい」と、地元で奥様の美代子さんとともに切り盛りしてきた。この道60年というベテラン職人は「子どもさんにも年配の方にも喜んでもらえるお菓子を求めて、今も手探りですよ」と、毎朝早くに起きて仕込みし、ほっとする味わいの和菓子を届けている。
目にも美しい、季節の生菓子。ひとつひとつ繊細に作られた職人の技が光る。
三色団子やおはぎ、大福、羊羹など、懐かしい味がそろう。