2011年夏号掲載
揖澤孝之さん(昭和10年生まれ)・秀之さん(昭和36年生まれ)・俊之さん(昭和43年生まれ)
兄と魚屋を営んでいた孝之さん。客である寿司職人と接する機会も多く「独立して商売をしたい。それなら寿司屋にしよう」と新長田タンク筋に店を構えて48年。当時の値段は、一貫5円。「あの頃はケミカルの靴屋さんや下請けさんや、みんな景気が良くて、この辺りも寿司屋が何軒もあって賑やかやった」。高度成長期からバブル景気、阪神・淡路大震災…時代を越え、舌の肥えた長田っ子に親しまれてきた。今や親子四代のお客さんも訪れるという。「旬の素材と鮮度にこだわり、お客さんの喜ぶものを」という変わらぬ父の思いを、長男・秀之さんと次男・俊之さんが引き継ぎ、ともにカウンターの中の調理場に立つ。
一貫200円~。にぎり盛り合わせ1300円~。
これからも元気で包丁を握っていたいと語る孝之さん。