垂水区・昭和24年生まれ
色とりどりの半紙に書かれた季節の歌や百人一首。髙井さんの書は、見る人を和やかな気持ちに導く。船舶無線整備士として、長年、大型船舶の工事や検査に携わってきた。その後、仲間3人と建築リース会社を設立。「若い頃からワルくてよう喧嘩した。勤めてからも上司とやり合ったり、組合で旗降ったり」。ところが、59歳の時に脳に腫瘍が見つかり、摘出手術の影響で左目の視力と右目の視野の半分以上を失う。「さすがに落ち込んで」船舶時代の先輩に話をすると「お前、昔は全身悪性腫瘍くらいワルさしてたやないか。良性腫瘍で良かったなあ」と。その言葉に目の前が明るく開ける思いだった。新しいことをやろうと「たまたま見つけた」書道教室へ。習い始めて6年、所属する書道研究書學会で受賞するまでになり、日々の精神修行にもなっている。